【Think Athleteインタビュー】サッカー・永井雄一郎さん Vol.5 「未来のアスリートに伝えたいこと ~人生の目標の幅を作る、考える力~」

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目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートすることを目指しています。

まずThink Athleteの第1弾という形で、はやぶさイレブン監督兼選手永井雄一郎さんを、取材させていただきました。

vol.4はこちら→【Think Athleteインタビュー】サッカー・永井雄一郎さん Vol.4 「Think Athlete永井雄一郎の原点と今」

RLスタッフ:今回はThink Athlete、自分の体を考えられるアスリートというテーマで永井さんを取材させていただいていますが、プロを目指している次世代のアスリートに向けてアドバイスをいただけないでしょうか。

永井さん:まず、目標が明確にあるのであれば、そこに向かうために何が必要なのかを知る必要があると思います。そのために、今の自分を客観的に見て、自分自身を知るとおのずと課題が見えてきます。目標に向かって何をすべきなのを考える、自分に何が足りないのか、それを補うためには何をすればいいのかと、考える力は何事にも代えがたいと思います。

RLスタッフ:アスリートを目指す過程で、考える力はテーマになります。ですがテーマにするということは、難しいことでもあると思うのですが。

永井さん:難しいと思いますが、アスリートにはすごく必要だと思います。もちろん、夢が叶うか叶わないかというのは、非常に厳しい世界だし、その中でひと握りの人間しか夢が叶わないことにはなると思うんです。でも、目指す過程がしっかりとあり、自分に確固たるものがあった上で、できたできなかったとなれば、違う目標できた時に、「全く違うプロセスを歩むべきなのか」「ここは良かったからこうやろう」と、自分の中できちんと基準ができてくると思うんです。

RLスタッフ:ジュニア、ジュニアユース年代の方に対しては、人生の幅を得るために大切ですね。それ以外に、永井さんが思う、次世代のアスリートたちやその保護者の方へのメッセージはありますか?

永井さん:今の子供たちは本当に忙しいですよね。学校行って宿題も多く、帰ってきて、習い事も行って。それがサッカーを目指してる子にとっては、サッカーであったりすると思うのですが、寝る時間も少なくなってしまう。そういう生活を強いられているのではないかと思います。やることが多いことは現代の子供たちは仕方のないことなのかもしれませんが、その中でしっかり休むこと、寝ることを周りが大事にしてほしいなと思います。

RLスタッフ:子供の就寝時間が遅くなっている話は、よく聞きますね。

永井さん:そうですね。今サッカーにおいても育成年代の指導の幅は広がっていて、トレーニングもすごく考えられて、ものすごい良いトレーニングもしていると思います。それとは逆に、僕が子供の頃にしなかったような怪我をしている子供たちが多かったりもするんですよね。靭帯を断絶してしまうとか、肉離れも多いと聞きます。もちろん昔に比べるとスポーツ医学の発達で異常を簡単に見つけられるからという要因もあるのですが。

RLスタッフ:確かに、私の息子が通っているサッカーチームも、肉離れなどの怪我をしている子供がいます。

永井さん:子供たちの怪我を非常に多く相談されるのですが、良いトレーニングと良い食事はもちろんで、質の良い睡眠などの休養がとても大切だと非常にシンプルな答えになります。どの時代になっても、どの年代でもこの三点は大事だと思います。トレーニングのために、しっかり食べて、寝る、休むこと。これは、ずっと変わりませんし、それこそがアスリートとして伸びていくために大切なことだと思います。

RLスタッフ:折角の大切な時期に、怪我をして成長が止まってしまうことは心配ですね。

永井さん:あと、最近気になるのが、子供たちがスパイクを履く時期が少し早いのかなと思います。本来の正しい走り方を見に付けることは大事な部分なのですが、サッカーのスパイクを履くと、引っかけて走る動きになる特徴があります。ですので、最近の子供たちは正しく足が上がらず引っかけて走ることで、ハムトリングの怪我を起こすことがあるそうです。

RLスタッフ:なるほど、スパイクに頼らない正しい走り方を見に付けることを優先した方がいいのですね。

永井さん:日本代表クラスのコーチをされている方にも伺ったことがありますので、僕も監督として今のチームメンバーに、良い走り方をするための身体の使い方を身体に教え込むようなトレーニングを取り入れています。どんどん機能的なアイテムが生まれていますので、若い年代にこそ道具に頼る前に、正しい走り方や正しい身体の動かし方を学んでほしいと思います。それがスポーツをいつまでも楽しめることに繋がるではないでしょうか。

Profile

◇はやぶさイレブン 永井 雄一郎 監督兼選手
1979 年生まれ、東京都新宿出身のプロサッカー選手で、浦和レッドダイヤモンズなどで活躍。2003 年には日本代表にも選出されチーム初得点を記録し、ジーコジャパンの初勝利に貢献。2007 年には AFC チャンピオンズリーグ決勝で先制点を決め、大会 MVP に選出されるなどの経験を持ち、現在は神奈川県社会人リーグ 1 部で活躍する「はやぶさイレブン」に所属し、監督兼選手として活躍中。

公式サイト:はやぶさイレブン
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