【専門家インタビュー】WINフロンティア株式会社 駒澤氏 Vol.4「移動中、日内変動、リカバリーウェアがアスリートに貢献すること」

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アスリートのパフォーマンスの発揮には、自律神経の働きが深く関係していると言われています。

今回は、ウェアラブルセンサーを用いた自律神経等の効果測定及び生体ビッグデータ解析事業を行うWINフロンティア株式会社の駒澤真人さんより、アスリートと自律神経の関係についてお聞きしました。

前回までの記事はこちら→【専門家インタビュー】WINフロンティア株式会社 駒澤氏 Vol.3「トータルパワーを上げる、10秒呼吸法」 | 休養・リカバリーウェアのVENEX(ベネクス) (venex-j.co.jp)

RLスタッフ:
それから、移動中についてお伺いしたいです。アスリートの方は飛行機で海外遠征のある方もいらっしゃれば、バス移動で10時間以上なんてことも多いらしく、長距離移動が多いですよね。

駒澤氏:
そうですね、まさに座りすぎにより、自律神経のバランスが崩れ、トータルパワーも低下して、疲れてくるということは考えられます。

RLスタッフ:
理化学研究所の渡辺先生も移動中は疲労する、ということを言われていました。大きな要因としては、振動があると身体の姿勢保持の力で疲れてしまうということと、動かないと血流が停滞するということ、あとは移動中で飽きてしまう、と。


【専門家インタビュー】理化学研究所生命機能科学研究センター 渡辺恭良先生 Vol.2 「長距離移動時の疲労のメカニズム」

https://www.venex-j.co.jp/recovery_lab_magazine/rest/detail/20221215.html


駒澤氏:
様々な研究でも、座りすぎによる健康被害や寿命にも影響があるという論文が色々出ております。このような研究からも、長時間同じ状態で座っているということは、非常にリスクが高いと言えます。

RLスタッフ:
それ以外にも自律神経視点での移動時間のポイントというか、過ごし方の課題などはあるのでしょうか?

駒澤氏:
やはり、適度に途中で休憩して、座りすぎを防止することが大事になってくるかと思います。サービスエリアでの休憩中は、必ずバスから降りて軽く身体を動かすとかですね。特に日本人は、研究でも座位時間が世界一と言われており、座りすぎによる健康リスクについては、気を付ける必要があります。

RLスタッフ:
移動中とはそれますが、アスリートは昼の試合と夜の試合がありますよね。試合に臨む上で、自律神経目線で注目すべきポイントはありますか?

駒澤氏:
そうですね。一般的な日内変動の観点では、昼間は交感神経優位、夜だと逆に副交感神経優位になるので、例えば夜の試合の場合だと直前に交感神経を上げる方向でバランスを取っていく必要があるかもしれないですね。

RLスタッフ:
最後にリカバリーウェアがアスリートの方々に与える影響を教えてもらえますか?

駒澤氏:
アスリートの領域ですと、まさに運動後の切り替えですよね。試合中の活動モードから、その後の疲労の回復や休息モードに切り替えるきっかけのアイテムとして、非常に有効かと思っています。

RLスタッフ:
なるほど。リカバリーウェアを着ることで休息モードに切り替えると。

駒澤氏:
はい。あとは睡眠への影響ですね。睡眠の質を上げる事は日々パフォーマンを求められるアスリートにとって非常に重要です。睡眠中のアイテムとして、リカバリーウェアはかなり重要かと思います。私も寝る時に使わせていただいておりますが、例えば出張先でリカバリーウェアがない時は、なんだか違和感がありまして、日々の必須アイテムとなっております。

RLスタッフ:
ありがとうございます。さきほど1つのキーワードとして、切り替えという言葉があったかと思います。アスリートの方、試合後とか練習後の切り替えが結構難しかったりすると思うのですが。

駒澤氏:
難しいですよね。そのため、リカバリーウェアなど、服を着替えることで、切り替えを促すのは非常に大事であると思います。服を着替えること自体、気持ちの面でもリセットはされますよね。パジャマを着た後に遊びに行こうとは思わないじゃないですか。そういう意識づけというのが大事だと思います。リカバリーウェアはONOFFの切り替えアイテムとして最適ですね。

RLスタッフ:
身体だけでなく、気持ちというか、頭のクールダウンも必要、と。

駒澤氏:
そうですね、このようなアイテムを上手く活用して、自律神経を整えていく生活を送っていくことが、重要であるといえます。

Profile

【駒澤 真人 プロフィール】  

WINフロンティア株式会社 取締役
順天堂大学 大学院医学研究科 客員准教授
芝浦工業大学 大学院理工学研究科 客員准教授
東京理科大学理工学部卒、東京工業大学大学院総合理工学研究科卒、神戸大学大学院システム情報学研究科博士課程修了(博士(工学))

IT企業にて、企業、官公庁向けシステムの開発事業に携わった後、WINフロンティア株式会社に創業時から参画。ウェアラブル技術を活用し人間情報をセンシング、評価分析、システム化して実応用まで繋げる研究で工学博士号を取得。160万以上ダウンロードされているストレスチェックアプリ「COCOLOLO」などを世に送り出した。企業、大学、自治体、医療機関などと連携し、商品・サービスの快適性を評価する感性工学プロジェクトや、人間の健康やクリエイティビティをサポートするプロジェクトに百件以上携わる。医工連携のプロジェクトにも数多く携わり、工学技術を医療現場へ応用することに注力している。

[主な著書]

『ストレス・疲労のセンシングとその評価技術』(第7  指先の指尖脈波を用いたココロのバランスをチェックするシステムの開発、技術情報協会、2019年)

『人間情報学 快適を科学する』(第6章 ウェアラブル技術を活用した心拍変動による感情解析と実用化、近代科学社、2022年)

WINフロンティア株式会社のご紹介】

https://www.winfrontier.com/

自律神経を中心とした人間情報センシング技術により、商品・サービスなどの効果検証やヘルスケアアプリの開発、生体情報を活用した新規事業のコンサルティングまで幅広くサポート。また、AI時代の到来で人間が人間らしくあるために、クリエイティビティに関する研究などもおこなっており、人間情報センシングの技術と認知科学・生理心理学の知見を活かして、クリエイティビティとウェルビーイングの向上に貢献する会社。

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