【Think Athleteインタビュー】サッカー・栗本広輝選手 Vol.3「未来の選手たちへ。不安だから練習するのではなく、休む時は休んでほしい」

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目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートすることを目指しています。

今回はThink Athleteの第三弾として、サッカーJ2リーグの大宮アルディージャで活躍する栗本広輝選手に取材をさせていただきました。

前回の記事はこちら→【Think Athleteインタビュー】サッカー・栗本広輝選手 Vol.2「"怪我ゼロ"練習以外の時間の過ごし方に隠された秘密」

RLスタッフ:もともと健康の3要素「運動」「栄養」「休養」のバランスは意識されていましたか。

栗本選手:アメリカに行くタイミングが、より大事にしないといけないなと感じた時でした。

RLスタッフ:トレーニングとリカバリーの比重については、どのようにお考えですか。

栗本選手:5:5で考えています。やっぱりどちらも必要だと思います。良いトレーニングをするためにリカバリーは必要ですし、その反対もそうだと思います。

大学の時は、リカバリーなんて全く考えていなかったです。学生の時は、ストレッチするようになっただけでも、友達に話すと「ストレッチするんだ、すごいね」と言われていたので。

RLスタッフ:若い頃からストレッチなどされていたんですか。

栗本選手:実はあんまりやっていなかったんです。それでよく怪我をしていました。若い時は本当に自分の身体は見れていなかったです。2728歳くらいでアメリカに行くまでは、とにかくずっと練習していたので。行ってから意識するようになりました。

RLスタッフ:練習をしすぎてしまう時もありますよね。

栗本選手:そうですね。まずは、トレーニングで負荷のコントロールをすることが大切です。練習が終わった後の自分でやるトレーニングの部分も、人によって身体の感覚も違うので、やる日はやる、やらない日はやらない、とちゃんとメリハリをつけてやるようにしています。

RLスタッフ:パフォーマンスを上げようとすると、練習量を増やそうという方向に頑張ってしまう傾向があると聞いたことがあります。

栗本選手:特に僕は、練習をしないと不安だったということもありましたね。周りに常に自分よりすごい選手がたくさんいる環境だったので、その差を埋めるためには他の人が休んでいる時にもっと練習しなきゃという考え方でした。でも、一つの方法として、同じトレーニングをしていても同じ時間で質を上げていけばいいと気づいてからは、時間の使い方や良い成長の仕方ができたのではないかなと思っています。

RLスタッフ:やめる勇気と休む勇気ということですね。

栗本選手:本当にその通りです。とりあえずやればいいというわけではないので、しっかり自分の全力を出すために「やめる」ことは大事だと思います。やる時により一層全力を注ぐし、やらない時はしっかり休む。昔は休みの日もサッカーのことをずっと考えていたんですけど、今は逆にちゃんと離れることに重きを置いています。僕は、そうした方が状態が良いです。

RLスタッフ:栗本選手はご自身の身体の状態をきちんと把握されていますが、自分の身体を理解したいけど、なかなかできていないという人もいると思います。その辺りどのようにお考えですか。

栗本選手:自分の身体は分からない部分も多いので、ルーティンなどを人によっては作っていると思うんです。「練習前にこのメニューを絶対やる」というような。でも僕はその日によって身体の状態が違うと思っているので、ルーティンよりは自分のその時の状態に合わせて変えて行うようにしています。

RLスタッフ:栗本選手は、朝起きた時に自分の身体のセルフチェックなどはされるんですか。

栗本選手:セルフチェックまではいかないですけど、起きて「今日身体重いな」とか「今日全然疲れ残ってないな」とかは感じるようにはなりました。

RLスタッフ:現在の年齢になって、経験を積んだ今、若い頃の自分に言いたいことはありますか。

栗本選手:若いからリカバリーを気にしなくてもできていたんだなと思う部分もありますし、競技以外のところでもっと身体を大事にしていたら、よりトレーニングの質が上がっていたんじゃないかと思います。怪我ももっと少なかったと思いますね。

怪我してダメになっちゃう選手は多いので、それは絶対に避けなきゃいけないと思います。いつかチャンスは巡ってくるので、「怪我をしないでやり続ける」ことはとても大事だなと思います。

RLスタッフ:現役はいつまで続けたいなど、目標はありますか。

栗本選手:35歳まではやりたいという目標ですね。

自分の人生の中にサッカーがあって、それ以外も大事なことがいっぱいあると思うので、そういうところにちゃんと目を向けていきたいなと思います。もちろんサッカーは好きなので、何かしらの形で関われたらいいなと思っているんですけど、さらに自分の好きなこと、打ち込めるものも探したいなと思います。

RLスタッフ:選手としてこれからの抱負はありますか。

栗本選手:日本に帰って2023年で2年目なので、J1でプレーできる機会を自分で掴み取りたいという気持ちはすごくあります。そのためにはプレーし続けないと、チャンスはまず巡って来ないと思うので、そういう意味では怪我せず1年試合に出続けることがマストになってくると思います。

RLスタッフ:夢を持つ若い子どもたちにメッセ―ジはありますか。

栗本選手:やる時とやらない時のメリハリをつけることがすごく大事だと思います。不安だからトレーニングをし続けてしまうと思うんですけど、そういう時だからこそリカバリーの面に目を向けてください。
決められた中のトレーニングをより質の高いものにしていくことが今後に繋がると思います。そういうところに目を向けられるというのは、同世代の選手にも差をつけられる一つなんじゃないかと思います。

RLスタッフ:本日は、貴重なお話しをありがとうございました。

 

~番外編~

RLスタッフ:大宮アルディージャに入ったきっかけは何だったんですか。

栗本選手:アメリカから帰国後、大宮アルディージャの沖縄キャンプに参加して、その後正式なオファーをいただきました。

RLスタッフ:ずっとお聞きしたかったんですが、デビュー戦でキーパーとして出場されましたが、なぜそうなったんですか。ぜひ裏話をお聞かせください。

栗本選手:スタメンのキーパーの選手とベンチにいたキーパーの選手が両方とも怪我をしてしまって出られなくて、なぜか分からないですけど僕が選ばれました! 後から聞いた話なんですけど、普通のJリーガーは高卒・大卒でそのままJリーグにいる人が多いんですけど、僕のキャリアはいろんなことを経験しているから、そういう状況でも一生懸命頑張ってやってくれるだろうと思って選ばれたらしいです。メンタル的に一番強いと思われてキーパーやって、一本打たれて一失点しました(笑)でもこうして今話せるのでありがたかったです。

RLスタッフ:栗本選手のお人柄とご経験があったからだったんですね! お聞きできて嬉しいです。今後のご活躍も期待しています。

Profile

◇プロサッカー選手 栗本 広輝選手
1990616日 生まれ、愛知県出身のプロサッカー選手。

順天堂大学卒業後、ジャパンフットボールリーグのHonda FC、アメリカのUSL(実質2部リーグ)のチームでの経験を経て、現在J2チームの大宮アルディージャに所属、ミッドフィルダーとして活躍中。

〈所属チーム歴〉
清水商高 - 順天堂大 - HONDA FCJFL - Fresno FC(アメリカ/USL Championship - Colorado Springs Switchbacks FC(アメリカ/USL Championship - Oklahoma City Energy FC(アメリカ/USL Championship - 現在:大宮アルディージャ

公式SNSアカウント

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