【専門家インタビュー】ファイティングイーグルス名古屋 加藤トレーナー「"ケガ人を増やさない" 持続的な疲労対策がもたらした3年目の成果」

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2023ー24シーズンより、愛知県名古屋市で活躍するプロバスケットボールチーム「ファイティングイーグルス名古屋」とオフィシャルリカバリーウェアサプライヤー契約を締結し、選手の休養をサポートしています。今回は選手の活躍を支える加藤トレーナーにリカバリーやトレーナーとしてのお考えについてお伺いしました。

RLスタッフ:本日はありがとうございます。2シーズンにわたりサポートさせていただき、私もすっかりファイティングイーグルス名古屋(以下FE名古屋)のファンになりました。2024-25シーズンはアウェーのサンロッカーズ渋谷戦やアルバルク東京戦を観戦し、行った試合はどちらも見事な勝利でした。

加藤トレーナー:ありがとうございます。すごく良い試合でした。

RLスタッフ:加藤さんはFE名古屋がある、愛知県名古屋市のご出身ですよね。まずは、加藤さんのキャリアについてお聞かせください。

加藤トレーナー:大学でトレーナーの勉強をして、その後、鍼灸の資格を取りに専門学校へ進みました。卒業後、当時B3リーグに所属していたアイシン・エィ・ダブリュ アレイオンズ安城というチームで、約5年間トレーナーとして従事していました。そのチームが解散という形になった際、FE名古屋さんがB1初年度を迎えるタイミングでお話をいただきました。先日、関わらせていただいて3年目を終えたところです。

RLスタッフ:B1参入以降の歴史を一緒に作ってこられたのですね。FE名古屋に入られて3年目とのことですが、チームとしてフィジカル面やリカバリー面でのお考えや戦略があれば教えていただけますでしょうか。

加藤トレーナー:僕自身はどちらかというとメディカル系のトレーナーなので、フィジカルやウェイトトレーニングは別の方が担当しています。ただ、コンディショニングという部分は私が受け持つことが多い役割になります。バスケットボールは、プロ野球やサッカーに比べてベンチ入りできる人数も少なく、選手層が薄いスポーツです。そのため、コンディショニングにおいては"ケガ人を増やさない"ということが非常に重要だと考えています。ケガ人が出てしまうとチームの競技力が大きく落ちてしまい、勝敗に直結しますから。 この3年間、毎年振返りを行い、改善を重ねてきましたが、3年目の2024-25シーズンはケガ人の数を減らすことができたという実感があります。少しでもチームに貢献できたかなと感じるシーズンでした。

RLスタッフ:3年目に成果が出たということは、様々な試行錯誤があったかと思います。これが結果として良かった、というような具体的な事例はありますか?

加藤トレーナー: トレーナーに任せてもらっているウォーミングアップの時間の中で、ケガ予防につながる動きづくりを取り入れることを意識しました。また、試合数が多いので、ケアに関しても選手と積極的にコミュニケーションを取り、できるだけ疲労が伴うケガを減らす取り組みが、3年目にしてより深くできたかなと感じています。そして、ベネクスさんには2年目、3年目と一緒に歩ませていただいていますが、サプライしていただいているリカバリーウェアを選手たちが本当によく使ってくれています。移動の時なども着ている選手が多く、睡眠の質向上や疲労感の軽減といった「休養」の面で、非常に助けられています。そういった部分も、ケガ人を減らせた一つの理由だと思いますので、我々トレーナーとしても非常にありがたいと感じています。

RLスタッフ:2024-25シーズン特に「疲労」に対して注力されたということですが、どのような背景があったのでしょうか。

加藤トレーナー:2024-25シーズンは、一部の選手の出場時間が非常に長くなる傾向がありました。毎試合30分、35分と出場する選手もいて、このままでは将来的に大きなケガに繋がると感じたんです。そこで、コーチ陣とも相談し、練習スケジュールの調整などを積極的に提案しました。結果として、数試合の離脱はありましたが、数ヶ月に及ぶような長期離脱者を出すことなくシーズンを終えることができました。

RLスタッフ:その結果、ケガの件数にも具体的な変化はありましたか?

加藤トレーナー:はい。過去3年間で、ケガの総数は2年目と3年目では10件以上減少し、2024-25シーズンが最も少ない件数で終えることができました。選手の入れ替わりなど様々な要因はありますが、チームとしての取り組みが数字にも表れた形です。

RLスタッフ:弊社のリカバリーウェアが、選手の皆さんの「休養」への意識付けのきっかけになり、その積み重ねがチームの総合力の一助になればと考えています。実際に、日々のリカバリーにおいて、選手の意識に変化などは感じられますか?

加藤トレーナー:そうですね。B1というトップカテゴリーであっても、正直なところ選手間の意識には差があります。ただ、2024-25シーズンから並里成選手が加入したことで、チームに非常に良い影響がありました。彼は食事面などにも詳しく、模範となる振る舞いで周りを引っ張ってくれたので、チーム全体の意識が高まったと感じています。 また、年齢を重ねるにつれて体質の変化やケガのリスクが高まることから、ケアへの意識が変わる選手も多いですね。

RLスタッフ:20代後半くらいから「同じトレーニングをしても、以前のようにいかない」と感じ、休養やケアの重要性に気づく選手が多いと伺います。そういった中で、弊社の製品が少しでもお役に立てていればうれしいです。

加藤トレーナー:はい、本当に助けられています。ありがとうございます。

RLスタッフ:実際に製品を使用していただく中で、選手の皆さんからのフィードバックや、加藤さんご自身が感じられる変化はありますか?

加藤トレーナー:選手から最もよく聞くのは、「夜、着用して寝ると翌朝の目覚めが良く、疲労感が抜けている」という声です。Bリーグはシーズン60試合に加え、週に23試合ある過密日程や、飛行機・新幹線での長距離移動という疲労につながる環境が多い。そうしたハードな状況下で、移動による疲労も軽減されていると実感している選手は多いようです。また、我々トレーナーがケアの際に使う「トレーナーズクロス」も毎日活用しています。肌触りが良いので選手がリラックスしてくれ、時にはそのまま寝てしまうこともあります。トレーナー側としても、より選手にアプローチしやすくなったと感じています。

RLスタッフ:選手の皆さんがご自身の感覚で「なんか良いな」と感じて、自然と日々のリカバリーに取り入れてくださっている。その積み重ねが、コンディション維持に繋がっているのだとすれば、これほどうれしいことはありません。私たちがチームに対して果たせる役割について、期待されることがあればぜひお聞かせください。

加藤トレーナー:疲労回復がパフォーマンスの維持・向上に直結することは間違いありません。リカバリーウェアは、そのための重要なアプローチの一つとして、選手・スタッフ共に本当に助けられています。睡眠時間が短いコーチ陣も活用しており、少しでも質の高い休息を取るために欠かせないものになっています。2025-26シーズンも変わらぬご支援をいただけると、我々トレーナーとしても非常に心強いです。

RLスタッフ:ありがとうございます。最後に、新しいシーズンに向けた抱負をお聞かせください。

加藤トレーナー:コーチも選手も新しくなる中で、また長いシーズンが始まります。まずは2024-25シーズンのケガの数をさらに減らせるよう、チーム一丸となって取り組んでいきたいです。そして、全選手ができるだけ良いコンディションを維持し、チームとして初のチャンピオンシップ進出を達成できるよう、トレーナーとして貢献していきたいと思っています。

RLスタッフ:2024-25シーズンは強豪チームを破る試合も多く、「何をしてくるか分からない面白いチーム」という声も聞かれました。2025-26シーズンの更なるご活躍を楽しみにしております。本日は貴重なお話をありがとうございました。

■Profile

加藤 優佑(かとう ゆうすけ)
1992年愛知県生まれ。至学館大学卒業後、中和医療専門学校にて鍼灸の国家資格を取得。2017年にアイシン・エィ・ダブリュ アレイオンズ安城(B3)のトレーナーとして契約、2019年からはヘッドトレーナーを務める。2022年よりファイティングイーグルス名古屋(B1)のトレーナーとして契約。選手一人一人のコンディション管理や怪我の予防、怪我からの早期復帰に努め"ケガ人を増やさない"取り組みでチームに貢献し続けている。

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