日本代表フィジカルトレーナー 泉建史先生×ヨガインストラクター 中畠綾香先生対談 Vol.6「アスリートの移動時間へのリカバリーアプローチ」

スペシャル / 運動タイプ-休養学

フィジカルトレーナー 泉建史先生、ヨガインストラクター 中畠綾香先生とのスペシャル対談を複数回に渡りご紹介いたします。

「アスリートの移動時間へのリカバリーアプローチ」

・移動時間の疲労とリカバリー(トランジットストレッチ)
・リカバリーウェアがソリューション

RLスタッフ:トップアスリートは国内外の遠征などがあり、長距離移動が多いと思いますが、移動時間の疲労などはいかがですか。

泉先生:確かに、ヨーロッパなどに遠征に行った時は、座っている時間が長く合計すると15~20時間程度あります。また、遠征国についてもさらに移動時間があるので、普通ではない状況です。

RLスタッフ:長距離移動はなぜ疲れるのでしょうか。

泉先生:疲労については様々な定義がありますが、筋についてフォーカスしてみます。特に座っていると、足の付け根の部分、恥骨筋、腸腰筋など、お腹の下の部分の筋肉が非常に縮まってしまいます。腰や骨盤が後傾する現象があるので、そうすると何もしていないのに腰が張ったりしてきます。腰が張ると、バランスを取ろうとして頭が前に出る、頭が前に出ると10Kgくらいの重りになるので、さらに腰の負担が1.5倍かかる。同じ姿勢でいることが悪循環になってきます、

RLスタッフ:そうすると、リカバリー方法として有効なのは、姿勢の部分からになりますか。

泉先生:常に姿勢を変えるということは、純粋にとても大事なことです。座りながら肩をストレッチしたり、首を横に曲げたりなどすることなど、普段のヨガの中のストレッチから引き出しがあると思います。

RLスタッフ:ヨガの動きの引き出しがあると便利ですね。

泉先生:空港に降りたタイミングなどは、立ちながらのストレッチも取り入れます。立ちながらだと、バランスを取りながらストレッチをするので、身体が補正していきます。遠征が長すぎるとよくやるのですが、「トランジットストレッチ」といって、移動中にストレッチをするという考えです。ダウンドックまではいかないのですが、壁に手を付けて行うふくらはぎのストレッチなどを取り入れています。

RLスタッフ:リカバリーヨガの動きは万能ですね

泉先生:それでこそ、ヨガでいう伸びをするようなストレッチをすることもありますし、移動しながら、立ちながらのストレッチを促したりしています。このような知識があると、ちょっとした時間で自分の身体を元に戻すストレッチができると思います。

RLスタッフ:移動している最中に座り続けて、代謝が悪くなり疲労物質が出て血流が悪くなると語る先生もいますが、座っている間にできることなどはありますか。

泉先生:座っている状況ですと、身体を動かすことが難しい状況です。第二の心臓と言われている足は、筋肉を動かしながら血液を流すので、単純に動かすことが大切です。足の指を動かしたり、ちょっとふくらはぎの方に指をひきつけたり、かかとを曲げたり、そういうことをすることで対策ができます。

RLスタッフ:ふくらはぎが重要ですね。

泉先生:もっと簡単なことだと、足を揺らすとか摩るとかでもいいです。皮膚は冷えると固くなり、柔軟性が落ちるので、そういう単純な動作でも大事かなと思っています。

RLスタッフ:リカバリーウェアが役に立ちそうですね。

泉先生:皮膚は固くなりやすいため、温めることが大事になります。リカバリーウェアについては可能性がありますよね。緊張感がなくなってリラックスするということもあるので、そういう意味ではリカバリーウェアを移動中に使う選択はあって良いかと思います。

※前回の記事はこちら
https://www.venex-j.co.jp/recovery_lab_magazine/exercise/detail/20220926-01.html

Profile

◇ヨガインストラクター 中畠 綾香 先生

北海道出身。前職は声優、広告営業マン。多忙な会社員時代にカラダと心のバランスが崩れ鬱を経験。自身の心身の健康の為にヨガを初め2014年ヨガインストラクターとしての活動を開始。これまで某大手ホットヨガスタジオで2期連続トップインストラクターに選出され、全国のスタジオでのレッスンやヨガイベント・TV出演などをつとめる。現在はフリーランスとして活動の場を広げてヨガスタジオに足を運ぶ時間のないオフィスワーカーの方々に、ヨガで一息つき心身を整えてもらいたいという想いから企業ヨガをメインに活動中。

【所有資格】
全米ヨガアライアンス200 / メンタルヘルスケアヨガ / ストレスオフトレーナー / 産後ママのためのメンテナンスヨガ / 高津文美子式フェイシャルヨガ / 肩甲骨ヨガ®︎ / シニアヨガ / マタニティヨガ / チェアーヨガ / セロトニン認定講座修了

◇フィジカルトレーナー 泉 建史先生

国内・海外スポーツ分野で活躍。現在、複数の日本代表チーム(ナショナルチームスタッフ(情報・科学))や世界的な規模のプロスポーツ機関でフィジカル育成強化を担当。国際団体NSCAのジャパンアワード授賞式で日本の最優秀指導者賞を受賞。また長年、国際教育団体で全国のスポーツトレーナーの教育に関わり、行政のスポーツ健康応援プロジェクトでは各世代に向けた「簡単にできる身体チェック」をはじめ「誰でもできる姿勢づくりエクササイズ」を紹介し、幅広い分野で活動中。

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