日本代表フィジカルトレーナー 泉建史先生×ヨガインストラクター 中畠綾香先生対談 Vol.3「アスリートの世界でもヨガを活用する時代」

スポーツ / 運動タイプ-休養学

フィジカルトレーナー 泉建史先生、ヨガインストラクター 中畠綾香先生とのスペシャル対談を複数回に渡りご紹介いたします。

「アスリートの世界でもヨガを活用する時代」

・リカバリーの3Cについて
・アスリートがヨガを取り入れる時代に
・好きなヨガのポーズ

RLスタッフ:中畠先生は、最近リラックスやリカバリー方向のヨガを中心に活動されているとのことですが、この機会に泉先生に聞きたいことなどありますか。

中畠先生:泉先生にはいろいろ質問したいことあります。特に、リカバリー視点でストレッチを提供する場合は、どのようなことを重視されているんですか。

泉先生:リカバリーの考え方で3Cという視点で考えています。1つはCirculation:サーキュレーション(循環する)、2つめはCure:キュア(整える)、最後にCharge:チャージ(補充する・入れる)です。血液が循環しないといけないし、整えるという意味では、もちろん睡眠など休むことを指しますし、姿勢などもそうです。チャージはエネルギーを補充する、という風に、その3つが複合すると体は楽になり、リカバリーできていくと思います。

中畠先生:なるほど、勉強になります。

RLスタッフ:具体的には、どのようなことになりますか。

泉先生:全く動いていなくても疲れるという方もいると思いますが、最低でも2030分は動くということしてほしいです。特にポイントは、リラックスして動くということです。おすすめのリカバリー方法は、寝ながらストレッチをすることが、実はオススメです。背中が床にペタっとついた状態、正しい姿勢の背中になった状態でストレッチを行うと効果があります。

RLスタッフ:寝ながらできるのはいいですね。それ以外もありますか。

泉先生:ヨガも「リカバリーの3C」を実現するには、有効だと考えています。ヨガのポーズのパターンは、無限大に広がりやすいですし、寝ながら手を伸ばして、横に広げて伸びをするなどの動きもあるので、今までスポーツの現場にいて、緊張しすぎている選手をみると「リラックスして姿勢をつくる」「寝ながら何かをする」ということはポジティブに感じています。

中畠先生:なるほど、寝ながらヨガをすることが効果的なのですね。

泉先生:直接はリカバリーになるか分かりませんが、アスリートもPCやスマホを使うと、同じ場所ばかり見ているんですよね。そうすると目が疲れてしまうこともあります。目を休めることも大事で、周りを見渡したり、奥行きを見たりして、"目のストレッチ"をしてほしいですね。近いところばかりではなく違うところ(遠くなど)を見るということが必要に感じています。

RLスタッフ:現代社会ならではですね。

泉先生:現代社会というと、皆さんマスクをしていて、呼吸が浅くなっている人が増えていると思います。なので、深呼吸をすることや胸を開いてストレッチをするような、リカバリー方法が広まってもいいかなと感じています。

RLスタッフ:そういう視点ですと、ヨガを取り入れることは理にかなっていますね。

泉先生:それに合わせ、中畠先生にポーズの質問をしてもいいですか?おススメな好きなポーズとかありますか? 自分はダウンドックが好きなのですが(下腿部をしっかり伸ばすのが理由)。

中畠先生:珍しいですね。ダウンドックは苦手な方が多くて。気持ちよさを知ってからダウンドックが好きになっていく印象ですね。私は三日月のポーズが好きなんですよ。下半身を落とした状態で、上半身をぐーっと伸ばす。足の付け根など1日ぎゅーっと縮こまっていたものがすべて伸びる感じがして。

泉先生:全部伸ばすということですね。デスクワークがあったときはとても効率がいいと思います。小さくなってしまいますもんね。ずっと作業していると。

RLスタッフ:アスリートの方に推奨しているポーズなどはありますか。

泉先生:片足のトレーニングは、バリエーションを多くして実施しています。片足でバランスが取れると両足の筋力値が上がったりします。バランスを取るには足首やお尻を使うのですが、片足バランスのトレーニングができることによって身体の様々な補正ができたりします。海外代表のトレーナーの方が、日本にきて一緒にお仕事をすることがありまして、片足トレーニングの知見を沢山もらって活用し、その中にはヨガ立ちのポーズなどもあります。

RLスタッフ:トップアスリートの中には、ヨガをトレーニングやリカバリー方法として導入している時代なのですね。

泉先生:すべてではないですが、実践的にヨガを入れているところも多く見ますね。例えば、チームスポーツの場合、ハードなトレーニングだと興奮状態になることもあるので、ヨガでリカバリーも集団導入している日本代表チームもあります。また個人スポーツでは昨年の大きな国際大会でも個別でヨガを取り入れている選手がいますが、フィジカルトレーニングを指導する立場から戦略的にアドバイスする対応もしています。選手の皆さんも自分の身体が緊張状態にあることが多いので、そういう意味ではリカバリーのヨガは、これからもっと広がるのではないかと思っています。

※前回の記事はこちら
https://www.venex-j.co.jp/recovery_lab_magazine/exercise/detail/20220920-01.html

Profile

◇ヨガインストラクター 中畠 綾香 先生

北海道出身。前職は声優、広告営業マン。多忙な会社員時代にカラダと心のバランスが崩れ鬱を経験。自身の心身の健康の為にヨガを初め2014年ヨガインストラクターとしての活動を開始。これまで某大手ホットヨガスタジオで2期連続トップインストラクターに選出され、全国のスタジオでのレッスンやヨガイベント・TV出演などをつとめる。現在はフリーランスとして活動の場を広げてヨガスタジオに足を運ぶ時間のないオフィスワーカーの方々に、ヨガで一息つき心身を整えてもらいたいという想いから企業ヨガをメインに活動中。

【所有資格】
全米ヨガアライアンス200 / メンタルヘルスケアヨガ / ストレスオフトレーナー / 産後ママのためのメンテナンスヨガ / 高津文美子式フェイシャルヨガ / 肩甲骨ヨガ®︎ / シニアヨガ / マタニティヨガ / チェアーヨガ / セロトニン認定講座修了

◇フィジカルトレーナー 泉 建史先生

国内・海外スポーツ分野で活躍。現在、複数の日本代表チーム(ナショナルチームスタッフ(情報・科学))や世界的な規模のプロスポーツ機関でフィジカル育成強化を担当。国際団体NSCAのジャパンアワード授賞式で日本の最優秀指導者賞を受賞。また長年、国際教育団体で全国のスポーツトレーナーの教育に関わり、行政のスポーツ健康応援プロジェクトでは各世代に向けた「簡単にできる身体チェック」をはじめ「誰でもできる姿勢づくりエクササイズ」を紹介し、幅広い分野で活動中。

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