Sleep management
2022/01/6

睡眠の技術「睡眠に良い、衣服の選び方」

快眠のために重要になるのが、睡眠をとりまく環境です。よい眠りを得られるかどうかには、寝床内環境(布団の中の状態)をつくる寝具や、寝室の温度・湿度・音・光、などの寝室環境を整えることで、不眠などが改善される方が多いと言われています。今回は、ベネクスの商品部で素材開発を担う井口 恵理子さんに、主に快眠のために重要な寝床内環境(布団の中の状態)をつくる一要素の「衣服」についてアドバイスをいただきます。


RLスタッフ:今回は快眠に必要な寝床内環境(布団の中の状態)をテーマに、寝る時の衣服の選び方についてアドバイス頂きたいのですが、まずは率直に、快眠を得るための衣服選びのポイントを教えてください。

井口さん:季節やエアコンなどの使用、温度や湿度などの寝室環境で求められる性能は異なるかと思いますが、基本の要素は、「汗を吸うこと」、「汚れを吸着すること」、「適度なゆとりがあること」、「肌触りの良いこと」、「洗濯がしやすいこと」だと思います。

RLスタッフ:とすると、素材の選び方が大事なのでしょうか。

井口さん:皆さんがまず思い浮かべる素材は、綿だと思います。綿は繊維の先端が丸くなっているため肌触りが良く、汚れを吸着しやすいという特性もあります。また、保温性、吸湿性にも優れていますし、摩擦に強いので洗濯しやすい繊維です。寝具にも多く使用されていて、快眠を得るうえで重宝されている繊維だと思います。

RLスタッフ:綿は、非常に寝衣や寝具として有能なのですね。昔から馴染みもありますし。

井口さん:そうですね、ただ吸水性に優れているため乾きにくいというデメリットもあります。寝ている間もコップ1杯分の汗をかくと言いますし、皮脂汚れも付着しますから乾きにくいとは言え、こまめに洗濯をしてしっかり乾燥させることで繊維本来の機能が発揮され、快適な寝心地にもつながります。

RLスタッフ:なるほど、しっかりと乾燥させることが大切だと、洗濯物が乾きにくい時期などは少し苦労しますね。

井口さん:乾燥機が使えない素材もありますし、浴室乾燥や乾きやすい干し方を工夫したり、エアコンの風が当たる室内に干す工夫を取り入れている方も多いかと思います。
ただ、他の繊維だとここまで適した素材がなかなかないので、世の中的にも綿素材のものが多いと思いますし、赤ちゃんの時から着ていてなじみがある繊維なので綿を好む傾向はあるかと思います。

RLスタッフ:素材以外で寝る時の衣服で注意する選び方はありますか。

井口さん:別の記事の時もお話したかもしれませんが、良い睡眠には、自分にあったサイズの衣服を着て寝ることも重要だと思います。ゆったりし過ぎていると寝返りが打ちづらく、サイズがタイトだと窮屈で寝づらいと感じるかと思います。その人に合ったサイズの寝る時用の衣服を選ぶことも大切です。

RLスタッフ:イメージとしては、ゆったり着る方が良いような気がしていたのですが。

井口さん:そうですね、そういうイメージがありますよね。今は、ダボっとしたスエットで寝る方も多いと思うのですが、実はゆったりし過ぎたサイズの衣服は、寝返りが打ちづらい傾向にあるので、本当は避けた方が睡眠に良いと思います

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寝具と寝相、寝返りの関係

寝返りと良い寝相
寝相は上向きで寝ているときの方が、体に余分な力が入らず最もリラックスした状態になります。そのため上向きに寝ている時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしているとされています。ところで私たちは床にはいった時には上向きで寝ていても、眠りに入ったあと、いつのまにか左や右、ときにはうつぶせになっています(寝返り)。

寝返りは、睡眠中に同じ体の部位が圧迫され続けることで、その部位の血液循環が滞ることを防ぎ、体の負担を和らげるために生理的におこなわれる体の動きなのです。そのほか寝返りには体温を調節する・寝床内の温度を保つ・熱や水分の発散を調節するといったはたらきがあります。快適な寝相で眠っていれば寝返りの回数も少なくてすみますが、体が沈みこんでしまうような柔らかすぎる布団や、骨などを強く圧迫するような硬すぎる布団では、体の負担を減らすために寝返りの回数も多くなってしまいます。

出典:厚生労働省e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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RLスタッフ:それは知らなかったです。とすると、当然ですがリカバリーウェアはそのような視点も入れて作られているのですか。

井口さん:ゆったりした商品が多いですが、極端にオーバーサイズの物は作っていませんし、販売時にもお勧めもしていません。商品にもよりますが、生地の伸縮性に合わせたサイズ設計をしているので、ジャストサイズでも窮屈な感じ方にならないようにしています。なので、睡眠時や休養時専用のウェアとして、様々な視点でリカバリーウェアは開発されています。

RLスタッフ:リカバリーウェアのお勧めの使い方などありますか。

井口さん:そうですね、暖かいお部屋や寝る時に羽毛布団を使うのであれば、コンフォートポンチやコンフォートタッチがおすすめです。生地も軽く、綿が汗を吸湿・放湿するので体温調整がしやすいと思います。部屋が寒くなりがちなら、一番暖かいコンフォートヒートがお勧めですね。



井口 恵理子さんのプロフィール

井口 恵理子さんのプロフィール画像

東京都生まれ。文化学園大学 服装学部服装造形学科 出身。3年次から機能デザインコースで人体生理に基づく機能的な衣服について学ぶ。ベネクスでは商品部の生地担当として生地の量産・開発・品質管理を担当。「心地いい」をキーワードに生地の開発に取り組んでいる。1つの生地を量産に繋げるまでに多い時では10回に及ぶ試験を繰り返し、発売(販売)後もお客様の声に耳を傾け、改善を繰り返してよりよい商品をお客様にお届けし、愛用頂けるモノづくりを目指している。
2021年、「疲労を防ぐ!健康指導に活かす 休養学基礎」(メディカ出版発行)を一部執筆。

<素材開発実績>
・コンフォートヒート
・コンフォートクール
・コンフォートポンチ
・スタンダードライト
・コンフォートタッチ
・国産コンフォートダブル
・おうちインナー肌着
・おうちインナーブラショーツ

<保有資格>
・繊維製品品質管理士(TES)
・衣料管理士(テキスタイルアドバイザー)1級
・カラーコーディネーター検定2級

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